東山魁夷も愛した、喧騒の去った後の吉野の山
こんにちはフォーラムKayaです。木々の緑が色濃くなる時期となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
奈良県吉野は、全国的に有名な桜の名所です。4月の上旬から中旬にかけて、3万本ものシロヤマザクラが豪華に咲き乱れ、30~40万人の観光客が訪れます。しかし、桜の季節を過ぎると、吉野の山々は静寂に包まれます。
数千本の桜の樹々は咲いていませんが、その後の吉野も魅力的です。日本画家の巨匠、東山魁夷も愛した場所です。
1986年、唐招提寺の障壁画が完成した数年後、東山魁夷は大和路への愛と郷愁を込めて「朝雲-吉野-」を描きました。この作品は、やわらかな起伏のある山々、豊かな緑に包まれた樹々、白い雲が漂う風景を巧みに描いています。神々しさと歴史の深さが感じられ、自然を敬う東山画伯らしい作品です。
吉野へのアクセスは、大阪から車で約1時間40分です。下千本駐車場を拠点に、金峯山寺蔵王堂や吉野水分神社本殿を訪れ、奥千本西行庵を経て山道を登っていくと、絶景が広がります。下千本駐車場から、奥千本西行庵までは約6km、徒歩で2時間ほど。しっかり歩いた後は、吉野の名物、葛うどんと柿の葉寿司を楽しんでください。
国宝・世界遺産 金峯山寺蔵王堂
金峯山寺の本堂である蔵王堂は、国宝であり、世界遺産の中核資産に登録されています。
金峯山修験本宗の総本山として全国の修験者・山伏が集う修験道の中心寺院となっています。
国宝・世界遺産 吉野水分神社
水の分配を司る天水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)(神像は国宝)以下6柱の神を祀る世界遺産の神社。子授け・安産・子どもの守護神として篤く信仰されています。
奥千本にひっそりと建つ西行庵
『新古今和歌集』の代表的歌人の一人である西行法師が吉野に庵を結び、多くの歌を残した、奥千本西院庵。また、西行を師と仰ぎ、ここへ2度訪れたという芭蕉の句碑も立っています。桜や紅葉の季節はまた素晴らしい景色を見ることが出来ます。