絵画の5つの技法【種類一覧・用語解説】
1.日本画
花鳥風月・美人画など伝統的なモチーフを岩絵の具や水絵の具を膠(にかわ)や水で溶いて、絹地や紙に描く絵画技法です。
明治以降西洋から入ってきた油絵(洋画)に対して作られた用語で、代表的な画家に近代日本画の基礎を築いたとされる横山大観や、女流画家として初の文化勲章受章者となった美人画の大家 上村松園。
近年では国民的風景画家として高く評価された東山魁夷や、世界文化遺産の保護にも尽力した平山郁夫などがいます。
2.油彩画(洋画)
14世紀後半ごろにヨーロッパのネーデルランド地方で生まれ、この地方の画家ファン・アイク兄弟によって15世紀ごろに確立されたといわれる絵画技法です。
油絵の具を使用し主にキャンバス(麻や綿の画布を木枠に張ったもの)に描かれ、鮮やかで透明感のある発色による豊かな色調表現、重ね塗りなど重厚な表現ができるのも特徴です。
日本には開国後の明治初期に導入され、黒田清輝の「湖畔」や岸田劉生「麗子像」などがつとに有名です。
3.水彩画
顔料を水で溶かして描く絵。透きとおった透明感から生まれるみずみずしさと清涼感が特徴です。
古くは古代エジプトや中世の写本などにその例がみられ、ルネサンス時代には水彩で風景画が描かれています。
大きく発展したのは18世紀後半のイギリスと言われています。
4.版画
印刷という間接的方法で同一画像を複数得るために工夫された技法で、原画だと数百万円~数億円もする巨匠作品も気軽に楽しむことができます。
印刷形式よって凸版(木版画)、凹版(銅版画)、平版(リトグラフ)、孔版(シルクスクリーン)の4種に分類されます。
5.素描画・デッサン
主に木炭、鉛筆、筆、ペンなどを用い、黒、セピアなどの単色の線で対象を粗く描いたものや、その画法で描かれた習作をさします。
20世紀では、絵画と同様、マチスとピカソの天分が素描においても際だっており、作品として鑑賞されるようになりました。